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地域の人々の暮らしの
どんな小さな願いも叶えたい
自社配送網から社会インフラへー
事業進化の現在地
2025年7月1日から、株式会社カクヤスグループは、社名を『ひとまいる』に変更いたしました。
当社の強みは、自社配送網を活かしたきめ細やかな配送体制にあります。繁華街を中心に、年中無休、即日、配達時間を1時間枠で指定でき、ロットの縛りなく商品をお届けするサービスはほかにありません。試行錯誤を繰り返し、この配達事業を磨き上げてきた歴史は社員の誇りでもあります。
そんななか、当社は既存事業である酒類販売に注力しつつも、この独自性が高い配送体制と受注から配送、請求・決済までをワンストップで提供するシステムを社会のプラットフォームにすべく、新たな一歩を踏み出しています。社名の変更はその一環です。
まず、自社配送網を他人物配送へ拡大します。これにより今まで配送網を持たなかった様々な企業が商品を即日届けることが可能になります。日本では今、多忙な共働き世帯、外出が難しい高齢の世帯が増えており、即日配送のニーズは高く、パートナーとなる企業にとって大きな優位性となるはずです。
また、当社はリターナブル瓶を回収してきた実績を活かし、「届ける」だけでなく「預かる」「戻す」といった循環型物流(2Way型サービス)にも取り組んでいます。これにより、修理品の引き取りやクリーニング品の集荷など、様々なビジネスと連携できる可能性があります。
パートナー企業との融合で進化するのは「配達の未来」
さらに品揃えの拡充にも着手しており、飲食店様や個人のお客様に対して、日用品や生活雑貨を含む幅広い商品群をお届けする体制が整いつつあります。これにより、既存事業ともシナジーが生まれ、より豊かなサービス提供が可能になります。
当社はこのトランスフォーメーションを、積極的なM&A戦略により進めています。2021年には、乳製品を中心にサラダ、惣菜、雑貨など多彩な商材を首都圏で定期配送する明和物産を、そして2024年8月には、生鮮食品の宅配業者として関東圏に配送網を持つ大和急送をグループに迎えました。
これにより、当社が配達できる商品が増えるだけでなく、互いが蓄積したノウハウを共有できます。現在、日本では『ラストワンマイル』を誰がどのように届けるのか、そのインフラ整備が社会課題になり、業界再編が進んでいます。そんな中、我々は「独自の配送システムを社会インフラに」と強い使命感を持って、ここを挑戦の場と定めました。
これと同時に、祖業である酒類の販売についても新たな挑戦を進めています。我々は2020年に福岡県を中心とした業務用酒販店・株式会社ダンガミを、さらには福岡市中洲エリアを中心とした業務用酒販店・サンノー株式会社をグループに迎えました
社員の挑戦がつなぐ、新たなひとまいるの価値
社会的使命を実現するためには、社員一人ひとりが事業の実現に前向きな想いを持つこと、そして企業とともに成長していくことが欠かせません。そこで我々は行動指針である「スピリット・オブ・カクヤス」を進化させ、新たに「ひとまいるSpirits」を掲げました。「挑戦と進化を続ける」「何事も全力で楽しむ」といった内容です。
例えば、当社のコールセンターでシステムトラブルが起きた際は、特に指示はなくとも他部署から自然と「何かできることない?」と人が集まり、これが早期復旧につながりました。「ひとまいるらしさ」にある「当たり前に助け合っている」を象徴した出来事です。また、「誰からも信頼される」「自ら決めて行動する」「人と地域を想いやる」といった当社のスピリッツを具現化したものでもあるでしょう。
当社には、このようなエピソードが数えきれないほど存在します。すなわち、私たちの最大の資産はやはり「人」なのです。そこで我々は、自分たちの想いを社員たちでまとめた「ひとまいるSpirits」を行動指針に据え、多様な働き方の実現、自律的キャリア形成、次世代人材の育成など、社員一人ひとりの力が発揮される組織づくりに注力していきます。
「ひとまいる」に込めた我々の想い
私たちは、1921年にお酒の販売を始めてから、1950年代に飲食店向けの卸売業へシフト、1990年代にはバブル景気を受けて量販・ディスカウントに挑戦し、その後、酒類販売免許の自由化を受けて強みである「配送」に注力するなど、変化を続けてきました。
そしてこの度、社名が「ひとまいる」に変わります。
当社グループの強みであるお客様へのきめ細やかな対応は、まさに「人財」があって実現できることです。そこで、常にお客様のご期待に応えたいという想いを持った人間がお届けに「参ります」という意味と、毛細血管のように張り巡らせた配送網を活用してお客様への「ラストワンマイル」をお届けする、この意味をかけ合わせた社名にいたしました。
今後も変わり続ける「ひとまいる」を、よろしくお願い申し上げます。
2025年7月
代表取締役社長 兼 CEO 前垣内 洋行